2013年6月18日火曜日

メンズエッグの表紙で見る「お兄系」が「お兄系」でなくなっていく変遷。



今月号のメンズエッグを見て驚きました。


メンズエッグ 2013年7月号


シンプソンズが表紙を飾っている!

お兄系ブランド、VAROSHとシンプソンズとのコラボからのこの表紙のようですが、

一昔前は考えられなかったですね。




と、言っても。

お兄系の変遷をご存知ない方からは

この表紙を見ても驚きはないかもしれません。

今回はAmazonで過去のメンズエッグの表紙を眺めつつ、

お兄系ファッションの変遷を見ていこうと思います。


今Amazonで確認出来るメンズエッグの一番古い号は

2006年4月号 です。


時代を感じますねぇw

センターを飾っているのは今やバラエティタレントとして大活躍しているJOY。

ご存知ない方も多いかもしれませんが、

JOYは昔はメンズエッグのモデルをやっていたんです。

で、肝心のファッションを見てみると

「シブヤの春はタイト&ダークで飾れ!」

というキャッチコピーにもあるように、

ミリタリージャケットやレザーブルゾンなど、ハードな印象のファッションが特徴です。


次の年、

2007年5月号 も2006年とファッションの雰囲気はそれ程変わりません。


チェックシャツを中心としたアメカジですね。

ライダースジャケットディティールが入ったシャツに

深めのネックのTシャツを合わせたスタイルです。


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ここで少し世間一般の「お兄系像」というものをを考えてみます。

お兄系ファッションと言えば、で多くの人が真っ先に思い出すであろう、

この画像、


ガイアが俺にもっと輝けと囁いている 

(こちらは2007年11月号のメンズナックル。因みに今はプレミアが付いていたりします

も上掲のメンズエッグと同時期で、

こういった感じのファッションが世間が持つお兄系のイメージではないでしょうか。


具体的に言うと

・ブラックを中心としたダークトーンのカラー使い

・ライダースジャケットやスカルなど、ロック系デザイン

・セクシーな印象のタイトなシルエットや深いネックあきのカットソー


などが世間が持つお兄系の特徴だと思います。

これを「いわゆるお兄系」と名付けてみます。

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メンズエッグもこのような感じの「いわゆるお兄系」路線を走っていたのですが、

それに変化が見られたのが2009年4月号です。


ここで表紙に登場したのは

「ワーク&プレッピー」

というトレンドワード。

表紙背景のボーダー柄がプレッピーを表現していると思われますが、

ブラックカラーや深いネックあきのカットソーなど、

「いわゆるお兄系」の特徴がまだ色濃く残っていますが、

表紙背景にプレッピーを感じさせるボーダー柄を配するなど、

メンズエッグが市場の一般的なトレンド

(ユナイテッドアローズやビームスのようなセレクトショップなど)

の影響を強く反映し始めた事が感じられます。


その次の年、2010年8月号 では


当時ヤングメンズカジュアルで一大ムーブメントだった

「サロン系」の影響を受け、

サルエルパンツやドレープネックが特徴の

「ACID ROCK」をプッシュしています。

サロン系と言ってもその名の通りかなりロック色の強いファッションで、

2009年4月号同様、「いわゆるお兄系」がトレンドを取り入れたスタイルに

分類されると思います。


それから1年後、2011年7月号になるとかなり変化が感じられます。


この爽やかさ!

表紙には

「ヴィンテージサーフ&ストリートマリンパーフェクトガイド」

というキャッチコピー。

当時大流行したマリンスタイルを取り入れています。

ホワイト×ブルーカラーのキレイ目カジュアルな着こなしで

「いわゆるお兄系」らしさは殆どなくなっています。

モデルの顔を変えれば、

いや、髪型さえ変えればFINEBOYSやsmartに登場しても

全く違和感の無いファッションでしょう。


メンズエッグは2011年で「脱・いわゆるお兄系」を果たしたのだと思います。


ここからメンズエッグの「いわゆるお兄系」離れは加速します。

この1年後、2012年6月号


今までカジュアルなカットソーが中心だった着こなしから

キレイ目スタイルの代表アイテムであるシャツの着こなしをプッシュ。

深く開けたシャツのボタンに「いわゆるお兄系」のセクシーさが感じられるくらいです。


そして今年、2013年5月号 になるとそのセクシーさも影を潜めます。


ピンクのシャツに花柄プリントのTシャツという

爽やか大学生のようなファッション。

TシャツのVネックあきもセクシーと言える程深いものでもなく、

ここまで来ると「いわゆるお兄系」はゼロと言っていいのではないでしょうか。


続いて2013年6月号


リゾート系セレブファッション。

セクシーさを感じられる、という点では「いわゆるお兄系」の系譜ではありますが、

ヴィヴィッドなカラーリングは「いわゆるお兄系」からはかけ離れています。


そして今月、冒頭でご紹介した2013年7月号です。


まるでラフォーレ原宿から出てきたようなポップなスタイル。

そして表紙には

「夏のキレイめ」

誌面でも



「清潔感」や「上品」という

「いわゆるお兄系」からは考えられないキャッチコピーが登場しています。

メンズエッグ誌上でここまで存在が薄まっている「いわゆるお兄系」。

あと数年もしたら、日本から消滅してしまうのかもしれません。



・まとめ

卵が先か鶏が先か、

メンズエッグが「いわゆるお兄系」を推さなくなったから「いわゆるお兄系」ファッション人口が減ったのか、

「いわゆるお兄系」人口が減ったからメンズエッグが「いわゆるお兄系」を推さなくなったのかはわかりませんが、

特に首都圏では「いわゆるお兄系」ファッション人口が減少しているのは明確でしょう。

現在も生息する「いわゆるお兄系」は

メンズナックルがその受け皿になっていると思われます。



モノトーンのレディスフォトTシャツやクロスのネックレスなど、

「いわゆるお兄系」らしさが所々で残っていますが、




「いわゆるお兄系」らしさは大幅に薄まっています。


「いわゆるお兄系」離れはメンズマーケット全体の大きな流れなのでしょう。


今後お兄系はどうなって行くのか。

個人的には「いわゆるお兄系」は

現在海外でも人気のある原宿系や、ゴスロリ、ヴィジュアル系の様に

一種の様式美をベースとした日本独自のファッションだと思うので

このまま消滅してしまうののなら少し残念です。

「トレンドは繰り返す」

とはよく言われる事なので、

あと何年、何十年したら「いわゆるお兄系」が復活する事はあるでしょう。

その「ネオ・いわゆるお兄系」がどのようなファッションになるのか楽しみにしつつ、

「いわゆるお兄系」の終焉を見届けたいと思います。



※注
ここで述べられている内容は書き手の所属する組織・団体の主張を
代表・代弁するものではなくあくまでも筆者一「個人」としてのものです。