地に足の着いたクールジャパン機構のファッション戦略。



12月17日付の繊研新聞で

「東京の若手デザイナーブランドの課題 問われるビジネスへの構え」

と題した記事が掲載されていました。



この記事のイントロダクションは

日本起業の海外進出を支援する官民ファンド、

「クールジャパン機構」について触れられており、

「ファッションの領域でいえば、

肝心の日本発信のデザイナーブランドの現状は

ギャップがあるようにも思える」

と書かれてあり、

その後日本の若手デザイナーのビジネスに対する指摘がされていました。



これを見て私は

「そう言えばクールジャパン機構の

ファッションに対する支援ってどういうものなんだろう?」

「もしかして若手デザイナーに対する支援とか?

それって効果はあるのかな?」

と思ったので

実際にクールジャパン機構で

どういった支援が行われるのか調べてみました。




こちらのサイトに掲載されている


に概要がありました。



ファッションのプロジェクトの事例のページもあり、



これによると今回のクールジャパン機構の支援の対象は

デザイナーブランドではなく、

「UNITED ARROWSやCiaopanic、WE GOなどの

日本で人気のショップ

(資料では新興アパレル15ブランドと表記されています)の

シンガポール進出にあたってのマーケティングプラットフォームを構築、

現地消費者向けに日本ファションの話題づくりを仕掛け

現地華僑系小売商とのネットワークを構築する」

という内容になっています。



つまり、

デザイナーブランドを輸出するのではなく、

セレクトショップを輸出する

という事です。


今まで散々指摘されてきている事ですが、

いわゆる御三家、イッセイミヤケ、コムデギャルソン、ヨウジヤマモト以降で

海外でも高評価を長年持続させているデザイナーブランドは

かなり少数です。

そんな状況が20年以上続いている中で、

政府が300億円出資する、つまり血税が注ぎ込まれるクールジャパン機構が

新進デザイナーブランドを支援するのは

なかなか大衆の共感を集めにくいと思います。

ファッション文化というとどうしてもデザイナーに注目が集まりがちになりますが、

UNITED ARROWSを筆頭に

成長を続けているセレクトショップを支援の対象にするのは

とても現実的で評価出来るものだと思います。



欧米のセレクトショップはハイエンドのデザイナーのセレクトのみが主流で

顧客層も高額所得者やファッション業界人など限られた人種が中心です。

しかし、日本のセレクトショップは長年進化を続ける中で

セレクトショップオリジナルアイテムという

比較的安価でトレンド商品を提供する

世界でも珍しい商品がショップの主力アイテムになっています。

近年はその製造背景ゆえに

各ショップのオリジナルアイテムの同質化も指摘されていますが、

参考:似たり寄ったりになるのは何の不思議もない : 南充浩の繊維産業ブログ

H&MやFOREVER21などのファストファッションが日本に上陸するまでは

数少ない一般庶民の手が届くトレンドアイテムとして

セレクトショップオリジナルアイテムの存在価値は高かったと思います。(特にメンズでは)

そんなガラパゴス化とも言うべき

独自の発展を遂げた

日本のセレクトショップは

私は海外に輸出するに値する

日本独自のファッション文化であると思います。

それが海外のファッション市場で受け入れられるかどうかは

また別の問題になりますが、

上手く行けばかなり大きな市場を創出する事も

可能ではないでしょうか。


今後の展開を楽しみにしたいですが、

マスコミではなかなか報じてくれなさそうですね。

ネットメディアを活用したPRに期待します。


※注
ここで述べられている内容は書き手の所属する組織・団体の主張を
代表・代弁するものではなくあくまでも筆者一「個人」としてのものです。