以前
メンズエッグの表紙で見る「お兄系」が「お兄系」でなくなっていく変遷。(過去記事)
と題し、メンズエッグの「お兄系」離れに触れました。
最新号、メンズエッグ2013年9月号 の
表紙モデルの髪型は七三分け。
「盛って」ナンボだったメンズエッグモデルの髪型もシンプルになったものです。
盛夏の雑誌はどこもスナップ特集でお茶を濁すのが通例ですが、
メンズエッグも同様。
今回は「リアルファッショントレンド最前線」という事で
全国5都市、
東京、大阪、名古屋、大宮、静岡
(この珍しいラインナップ、確かにわかる気がしますがw)
でのスナップが掲載されています。
で、そのスナップの内容で気になった事がありました。
それは。
ストール着用者の多さ
です。
この春夏の一大トレンドであるプロデューサー巻き。
どこのショップのマネキンも、スタッフも、雑誌のコーディネイトも
街を歩いている人(特に渋谷原宿)もプロデューサー巻きだらけです。
その影響でストールの需要が下がるのではないかという指摘もあるくらいです。
ストールが非トレンドアイテム化?(南充浩の繊維産業ブログ)
そんなトレンドの中、
何故かメンズエッグのスナップだけはストールだらけ。
プロデューサー巻きも登場しているのですが、
明らかにストール着用者よりも少数です。
気になったので数えてみました。
登場したスナップは全部で160人。
その内
ストール着用者は28人(17.5%)
プロデューサー巻きは20人(12.5%)
でした。
おそらく他の雑誌では考えられない結果です。
こうなった原因は何なのか。
まず、一つ目は
「お兄系ブランドの打ち出しに市場が反応した」
のではないかという事。
私の記憶では昨年2012年夏に
無地シャツ×リゾート柄ショーツ×ストール
というコーディネイトが109MEN'Sの各ブランドが打ち出していたのですが、
それが今年になって市場に浸透した結果が
このストール着用者の多さに結びついているという考えです。
そうすると、今年は店頭でもプロデューサー巻きがかなり打ち出されているので
来年のスナップではプロデューサー巻きがストールを圧倒するのかもしれません。
もうひとつの考えとして、
「ストールがお兄系のアイコンになっている」
という事。
今月号のメンズエッグもそうでしたが、
「お兄系」の「普通」化がどんどん進んでいます。
(参考:メンズエッグの表紙で見る「お兄系」が「お兄系」でなくなっていく変遷。(過去記事))
そんな中、「お兄系」がファッションの源流である人は
自分が「お兄系」である事をアピールする為に
ストールを付けているのではないか。
以前はスカルデザインやライダースジャケットが「お兄系」を象徴するデザインでしたが、
今はストールをつける事が
自分が「お兄系」属性に属している事を表す為のアイコンなのではないか、という考えです。
もしそうならストールはスカルデザインやライダースジャケットのように
年々減少はするかもしれませんが
来年以降も生き残って行くのではないでしょうか。
今後「お兄系」はどんな方向に進化して行くのか。
来年のメンズエッグファッションスナップも楽しみです。
※注
ここで述べられている内容は書き手の所属する組織・団体の主張を
代表・代弁するものではなくあくまでも筆者一「個人」としてのものです。