2012年度の売上げは2兆5313億円、
(参考:【企業特集】アシックス 世界3位を射程内に捉える日の丸スポーツブランドの野望|週刊ダイヤモンド 企業特集|ダイヤモンド・オンライン)
世界中だれもが知る世界一の売上げを誇るスポーツブランドです。
普通これだけポピュラーになったブランドになると
一般向けの退屈なデザインになってしまい、
ファッション好きには見向きもされなくなる事が
多いような気がしますが、
ナイキだけは別格です。
スニーカーだけでなくスポーツウェアもファッショナブルな印象で
ファッション業界人にも愛用者は沢山います。
私もスニーカーは他のブランドのものを履く事はあるのですが、
スポーツウェアとなるとほぼナイキだけに限られていました。
世界一の売上げと高いファッション性、
この一見すると相反する要素を兼ね揃えた
ナイキというブランドは
一体どういう風に出来上がっていったのかに
以前から興味があったのですが、
その答えを教えてくれたのが
最近近所の図書館で偶然見つけたのがこの書籍です。
スポーツ・ブランド―ナイキは私たちをどう変えたのか? 松田 義幸 著
ナイキの特色はまずその芸術的なテレビCM。
本書ではマイケルジョーダンのこちらのCMを取り上げています。
マイケルジョーダンの独白が続くCMをなのですが、
この動画は英語なので本書にもある日本語訳を載せておきましょう。
プロでミスしたシュート9000本
負けゲーム約300
ウィニングショットをはずしたこと26回
今までミスしてきた
何度も、何度も、何度も
だから俺は成功する
JUST DO IT
いやー、格好良いですねぇ。
ジョーダンのCMと言えば私の記憶に残っているのはこちら。
これも格好良いです。
このように、ナイキはそのブランドイメージの確立の為に
CMにかなり力を入れています。
それに関して本書ではこう解説されています。
それは現代人の古いスポーツ認識を変えるためである。ナイキはスポーツブランドとしては後発企業としてスタートしています。
認識が変われば価値観、ライフスタイルが変わり、
そこに全く新しい概念の市場を創ることができるからだ。
当時スポーツブランドの巨人として世界に君臨していたのはアディダス。
他にもウィルソン、スポルディング、ミズノ、オニヅカなどがあり
ナイキはこれら企業を追いかけ、追い抜かなければならなかった。のです。
競合企業に打ち勝つ為にナイキは
全く新しい認識、価値、ライフスタイルを創造し、
それにフィットする商品を開発し、供給しようとしたのである。
また、ナイキがサポートするスポーツ選手にも
そのブランドイメージを形成する上で重要な要素を担っており、
ナイキ・ガイの中で、マイケル・ジョーダンを除けば、皆行儀が悪い。このような新しい世界を切り開く企業精神こそが
例えばテニスのマッケンロー。試合中に審判によく文句をつけていた。
(中略)
しかし、この行儀の悪いマッケンローのパフォーマンスこそ、
保守的な現代社会の腐りきった権威に対する反逆を意味し、
フィル・ナイトとナイキの企業文化の反骨精神そのものをプレイしてくれたのである。
いつまでも色褪せない
ナイキの新鮮なイメージを形作っているのでしょう。
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