【このエントリのポイント】日本の有名デザイナーズブランドが中国企業に買収される日が来るかも。
こんにちは。
健康診断の結果が良くて調子に乗っている
ファッションアナリスト山田耕史(@yamada0221)です。
・相次ぐブランド訴訟
最近有名ファッションブランドによる訴訟が相次いでいます。
当ブログで取り上げただけでもこんなに。
山田耕史のファッションブログ: 続くファッション訴訟。今度はサンローランがパロディTを告訴。
山田耕史のファッションブログ: ブランド商標権訴訟、GUCCIvsGUESSチキチキロゴ対決!
山田耕史のファッションブログ: ファッション業界の常識が変わる?ラルフローレンがコンバースオールスターの模倣中止に同意。
山田耕史のファッションブログ: パクリとインスパイアの境界線とは?米コンバース模倣訴訟続報。
・モノは簡単にコピー出来るようになった
何故このような訴えが増えてきているのか。
私はブランドの価値が以前よりも更に高まってきているからだと考えます。
デジタル技術の発達により、今は多くのモノが簡単にコピー出来るようになりました。
インターネットで情報が、PCでデジタルデータが、3Dプリンタで立体物までもが
個人で、しかも驚くほど低価格でコピー出来ます。
この事により、モノの自体が持つ価値は低くなりました。
アップルのiPhoneを模倣したxiaomiの躍進もその例のひとつでしょう。
サムスンを脅かす中国シャオミ、大躍進の秘訣は「アップルの真似」 | GQ JAPAN
http://www.slashgear.com/xiaomi-mi-pad-crafts-ipad-mini-clone-with-android-and-iphone-style-15329168/
iPhoneが高価過ぎて買えない中国人にとってxiaomiの製品は
「まぁこれでいいか」
と思えるくらいの十分なクオリティがあるようです。
・ブランドは簡単にはつくれない
モノは簡単に作れます。
しかし、ブランドは簡単にはつくれません。
アップルが長い年月をかけて築き上げてきたアップルのブランドには多くのファンがおり、
そのようなファンはxiaomiがiPhoneを凌駕する機能やデザインの製品をリリースしても
xiaomiの製品を購入する事は無いでしょう。
製品のクオリティでそれ程差が付かなくなった今、
ブランドの価値は以前よりも高まっています。
この事を中国企業も理解しているのでしょう。
近年、多くの中国企業による欧米企業のM&Aが増加しています。
古くはレノボによるIBMのPC部門の買収でしょうか。
レノボ - Wikipedia
当時IBMのThinkPadを愛用していた私にとってすくなからずショックでした。
こちらの記事によるとその動きは更に進んでいるようです。
伊ピレリだけじゃない、中国が欧州企業を続々と買収:日経ビジネスオンライン
記事でも触れられていますが
例えばスウェーデンの高級自動車ブランド、
ボルボは2010年から中国企業の参加となっています。
・ブランドイメージを買う
ボルボのイメージと言えば北欧ブランドならではの安全性。
特に堅牢なボディには定評があります。
ボルボブランドを買収する事は、ボルボのブランドイメージを手に入れるという事です。
ボルボが中国企業の参加である事を、知らない消費者は少なくないでしょう。
以前このようなまとめ記事を見た事があります。
むじん速報 : ボルボが中国車って教えてあげたら上司が会社に来ない
一般消費者はこの上司のように企業のM&Aを知らない人が多いでしょう。
ブランドの買収はブランドを持っていない企業にとって大きな効果があるのです。
・日本ブランドの代表格、エイプも今や中国企業傘下
私はこのような中国企業による、
ブランド価値を持った企業の買収が今後更に増加するのではないかと思っています。
前掲の日経ビジネスオンラインの記事によれば
既に中国企業がフェラガモの株式を保有しているそうです。
日本を代表するファッションブランド、
A BATHING APEも4年前に香港の大手アパレル企業I.T社に買収されています。
A BATHING APE - Wikipedia
A BATHING APEはフランスのcoletteをはじめ、欧米の一流セレクトショップでも取り扱われるなど
世界に通用するブランド価値があります。
I.T社はそのブランド価値を評価して買収したのでしょう。
・中国企業によるファッションブランド買収が増加する
中国の経済力は年々増大していますし、
最近の訪日中国人観光客による「爆買い」にも象徴されるように
中国人のブランドに対する憧れは強く、
中国企業がファッションブランドを買収する事例は今後ますます増えて行きそうです。
欧米のラグジュアリーブランドは好調な所が多いので当分買収される事はなさそうですが、
苦戦続きの日本のファッションブランド、中でもパリコレクションなどの実績がある
デザイナーズブランドなんかは買収される可能性が高そうだと思っています。
数年後、あなたの好きなあのファッションブランドがThinkPadやボルボのように
中国企業傘下になっているかもしれません。
…なんてエントリを書いている今、こんなニュースが飛び込んできました。
マークスタイラーが中国CITICグループ傘下に、日本の2大ガールズ企業が中国資本に | BRAND TOPICS | BUSINESS | WWD JAPAN.COM
やはりどんどんこの流れはどんどん加速しそうですね。
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