【このエントリのポイント】シャネルは実用性からファッションを生み出した起業家
こんにちは。
平日夜にスシローに行ったら満員でびっくりした
ファッションアナリスト山田耕史(@yamada0221)です。
今回は図書館で何気なく手にした新書、シャネル 最強ブランドの秘密。
とても感銘を受けたのでご紹介します。
・シャネルというブランドのイメージって?
あなたはシャネルに対してどんなイメージをお持ちでしょう?
ツィードジャケット、シャネルの5番、キルティングバッグ、シャネラー…
お金持ちのための高級ブランド、
いわゆる「ラグジュアリーブランド」としてのイメージが強いのではないでしょうか。
本書のタイトルには「最強ブランドの秘密」とありますが、
主にブランドとしてのシャネルではなく
人としてのココ・シャネルにスポットが当てられています。
本書で紹介されているココ・シャネルは
自由な発想から今まで無かった商品やビジネスモデルを生み出す
起業家のようなイメージです。
ショルダーバッグやリップスティックなど今では当たり前になっている
ファッションアイテムがシャネルの発明品である事を恥ずかしながら私は知りませんでした。
・機能からファッションを生み出す
ココ・シャネルはファッションの世界に革命を起こしました。
ココ・シャネルが登場するまでのファッションはコルセットで締め付けられた体を
大仰なドレスやアクセサリーで飾り立てた、
ひとりでは満足に歩けもしないようなものでした。
それはあたかも結婚して家庭に入るしか選択肢がなかった当時の女性の
ライフスタイルを反映しています。
そんな窮屈なファッションしか存在せず
自立して働く女性がほとんどいなかった時代に、
ココ・シャネルは下着にしか使われなかったジャージ素材による動きやすい服や、
両手が使えるショルダーバッグ、きちんと歩ける丈のスカートなど
女性が自由に仕事ができるファッションを生み出します。
ココ・シャネルのファッションはデザインから生まれたものではなく、
全て機能的な必要性から生み出されたものだったのです。
・シャネルのクリエーション手法
このような機能的なファッションの多くを
ココ・シャネルはメンズのウェアをもとに生み出しました。
例えばココ・シャネルの代名詞とも言えるツィードジャケット。
これはココ・シャネルが恋人のツィードジャケットを拝借して着てみた時に
ツィードの着心地の良さと質の高さを知ったのがきっかけだそうです。
ツィードジャケット同じく、シャネルの代表作であるバイカラーのヒール。
今ではレディスシューズの定番デザインのひとつとなっていますが、
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これもつま先部分が一番に汚れてくるのを目立たせないようにするという
実用性から生まれた商品でした。
・専門学校の教科書にすべき内容
本書にはこのようなファッションのクリエーションに関する事だけでなく、
マーケティング、やブランディング、シャネル自身のメディアでのイメージ戦略など
ファッション業界だけでなく他の様々な業種でも参考になるような内容が盛りだくさんです。
少なくとも本書で紹介されているシャネルの哲学や服作りの方法論は
服飾専門学校で教えるべきだと感じました。
最後までご覧いただきありがとうございました!
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