【このエントリのポイント】で、ユニクロってどんな企業?と気になったら読む本。
こんにちは。
最近また丸刈りにしたくなってきた
ファッションアナリスト山田耕史(@yamada0221)です。
私の大学の先輩でもある月泉博さんのユニクロ 世界一をつかむ経営のレビューです。
月泉さんからココベイ社長中島へお送りいただいたのを読ませて頂きました。
ありがとうございました。
帯には
「この本により初めてユニクロの本質と歴史的意義が明らかにされた」
との重々しい柳井社長のコメント。
確かに柳井社長をはじめとするユニクロ関係者に対するインタビューを軸に
ユニクロの過去、現在、そしてこれからの展望が網羅されており、
この一冊を読めばユニクロがどんな企業なのかがわかります。
・ユニクロの商品が高品質な理由
ユニクロはZARAやH&Mなどと同じくSPAアパレルチェーンに分類される企業ですが、
競合SPAとの一番の違いはその品種、つまり服の種類の少なさです。
ZARAやH&Mなどと比べると十分の一から数十分の一、
非SPAで問屋から商品を調達しているしまむらに比べると百分の一という水準です。
そんなユニクロには
ユニクロが、他社の10分の1の品番数で勝負するなら、
逆に1品番に10倍のエネルギーを注ぎ込み、
高精度かつ高品質なモノづくりをしなければならない(P.114)
という考え方が根付いているのだそうです。
・日本のファッションは世界に誇るべき産業?
積極的にグローバル戦略を推し進めるユニクロ。
柳井社長は2009年の時点で
「日本だけで売れる服は、今後日本でも売れなくなるだろう」
と発言しています。
柳井社長が考えるユニクロが世界に打って出る為の武器が
「世界に誇る日本の高い繊維技術」
と
「世界最高と言ってもいい日本のサービス精神」
だそうです。
それに加え、著者はこう指摘しています。
そしてもう一つ、見逃すべきでない大きな売り物がある。最近ユナイテッドアローズやビームス、クロスカンパニーなど
それは前述した、欧米をはるかに凌ぐ、日本のハイレベルな生活消費文化そのものだ。(中略)
そのよさと強さを広く世界に問うていないのは、服の業界だけかもしれない。(P.239)
日本の有力アパレル企業がアジアへの出店姿勢を強めてきています。
これらの企業が海外事業も好調なユニクロの後に続けるかどうかは今のところわかりませんが、
繊細な日本人のセンスで育まれた
世界に類を見ない豊富なファッションテイストを備えた日本のファッションは
品質の高さは世界に通用するのではないかとは、私も思っています。
・CSR活動は企業戦略
バングラデシュでのソーシャル・ビジネスや震災などへの災害支援など、ユニクロはCSR(corporate social responsibility・企業の社会的責任)活動に積極的です。
そのCSR活動に対し、柳井社長はこう述べています。
「それがどんなによいことであっても、会社にとってプラスにならないこと、
極端にいえば儲けにつながらないことをやるつもりはない。
だから今、わが社が行っているCSR活動も
基本的には企業戦略のひとつと考えてもらっていいでしょう」(P.277)
つまり、CSR活動は会社の儲けの為にやっている、という事です。
こういった姿勢には色々な意見があると思いますが、
私はこれくらい割り切った考えの方が気持ちよくて好きです。
・ユニクロは世界一になれるのか?
で、本書のタイトルにもなっている「世界一」。
柳井社長はユニクロを世界一のアパレルチェーンにすると公言していますが、
果たしてそれは可能なのでしょうか。
私はユニクロのターゲット層の広さを考えると
可能なのではないかと思っています。
もしかしたらファッションが日本が世界に誇る最大の産業になる日が来るかもしれません。
最後までご覧いただきありがとうございました!
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