【このエントリのポイント】アメリカには実用品は自由にコピーして構わないという考え方がある
こんにちは。
そういやP2Pって言葉を聞かなくなったなぁと思った
ファッションアナリスト山田耕史(@yamada0221)です。
・アメリカにおけるファッションデザインのコピー
今回はニュースキュレーションサイトに掲載されていた
本のレビュー記事のご紹介というなんともまどろっこしいエントリです。
「パクる欲望」が経済を回す。創造と模倣の意外な関係とは
本筋の「模倣によって生まれるもの」という内容も興味深いのですが、
私が気になったのはこの部分。
なぜファッション・デザインはこれまで一度もコピーから保護されてこなかったのだろうか。それはアメリカの著作権法に対する考え方の特徴である、実用物なら自由にコピーして構わないという姿勢による。一般的に著作権法では、音楽のように機能性を持たない、あるいは最低限の機能的属性しか持たない芸術形態を対象にする。ファッションデザインのコピーに関する問題は
保護対象となるのは、きらびやかな宝飾品や、アディダスの3本線マークのように商標と結び付きが強いものに限られる。その結果、影響力が強く高価なファッション・ブランドのデザインのコピーが大がかり、かつ合法的に行われているのである。
今まで何度か当ブログでも取り上げてきました。
山田耕史のファッションブログ: ファストファッション終了のお知らせ?米コンバース意匠権侵害訴訟の行方。
山田耕史のファッションブログ: ファッション業界の常識が変わる?ラルフローレンがコンバースオールスターの模倣中止に同意。
これらのニュースからアメリカは著作権に関して厳しい国なんだな、
というイメージをなんとなく持っていたのですが、
上で引用したように「実用物なら自由にコピーして構わない」という考え方があるとは
知りませんでした。
・ファッションって実用品?
これを見て疑問に思ったのが
ファッション(アイテム)とは実用品なのだろうか?
という事。
一着数百万円するオートクチュールのドレスは
誰がどう見ても実用品ではないでしょう、と書こうと思ったのですが
人によっては立派なワークウェアなのかもしれません。
(社交界とか?そんなの本当にあるんですか?)
じゃあもうちょっと現実的にしてスーツ。
仕事で使う実用品という認識は強いと思いますが値段はピンキリ。
替えパンツが付いて1万円以下のものもありますし、
20万、30万のスーツは世の中にゴロゴロあります。
イタリアの職人の手作業による一着100万円のスーツは実用品でしょうか。
なんだか日本の軽減税率の議論みたいになってしまいましたが、
実用品ならコピーはOK、それ以外はNGと線引きするのなら
どこからどこまでが実用品という線引きも必要でしょう。
・落とし所は見つかる?
個人的には今のご時世コピーにそんなに目くじら立てるべきじゃないのかなぁ、
と思ったりもするのですが、そんな事を言ってられない人が多いのも理解しています。
今後なんとか落とし所を見つけなければいけないのでしょうが難しそうですね。
例えば100年後、このような議論の行く末はどうなっているのでしょう。
最後までご覧いただきありがとうございました!
ファッションネタはTwitter(@yamada0221)でも随時呟いていますのでよろしければフォローしてみて下さい。
このエントリを書いた人
山田耕史 詳しいプロフィールはこちら