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最近読んだ強烈に面白かったファッション系インタビュー。




こんにちは。

ファッションアナリスト山田耕史(@yamada0221)です。


ファッション系のインタビューってなかなか面白いものに出会えないのですが、

最近立て続けに良いのがふたつあったのでご紹介します。

まず一つ目は編集者、都築響一氏。

結構長めで全4回。

大企業に「かっこいい商品」を求めるのは間違い:日経ビジネスオンライン

優劣をつけたがるメディアが「劣」を排除する:日経ビジネスオンライン

理解力のある上司なんていらない:日経ビジネスオンライン

今の時代、センスと行動力なしに勝負できない:日経ビジネスオンライン

聞き手は川島蓉子氏です。

このシリーズ、普段は読んでいないのですが、

都築響一氏ということでなんとなく開いてみると大当たり。

第1回を読んで感銘を受けたので

当ブログでも書きましたが、

山田耕史のファッションブログ: 都築響一が語る「かっこいい人」。

その後の回も面白かったです。

中でも私が感銘を受けたのがこちら。

都築:僕らは、現代史上で初めて、「トレンドのない時代」に突入しているんじゃないかと思うんです。
 かつては、立ち位置によって、もっともっと情報格差がありました。普通の人が手に入れられない最新情報を、ニューヨークのクラブやロンドンの美術館で手に入れて、それを一般人に広める。そんなことが商売として成立してきた。ファッションで言えば、パリコレクションのトレンドが東京のメーカーに入るまでに1年、東京から地方に広まるまでに1年、そんなタイムラグがあったと思うんです。
川島:ああ。メディアってそういう情報格差に立脚するビジネスでもありましたね。ファッション誌が存在する圧倒的な価値もそこにありました。
都築:でしょ? でもインターネットが、すべてそれを変えてしまったんです。世界のどこでも、画像や動画や音源を共有できるし、参加もできる。もはや「パリ」と「日本」、「東京」と「地方」のタイムラグはなくなっている。
 だから、メディアにトレンドを教えてもらう必要がなくなっちゃったわけです。つまり、メディアが特権的に情報を収集して「流行」を発信できる時代は、とっくに終わっている。だけどそんな現状を、既存のメディアの人間が、一番わかっていないかもって思っています。

「確かに!」と思いました。

今や情報格差なんて無い。

「お仕事」でやっているプロよりも

自分の興味だけで行動している素人のほうが情報を持っている上に

自分で発信している時代です。

なんとなくはわかっているつもりでしたが、

こうやって文字にしてもらえると強く認識できるのでありがたいですね。


続いてご紹介するのはクリエイティブディレクター、フォグラファーの米原康正氏。

聞き手はアソビシステムの中川悠介氏です。

こちらも結構長いです。

米原康正氏が今の原宿カルチャーに覚える危機感 - ログミー

yONEこと米原康正氏が中国市場を狙う理由 - ログミー

米原康正氏が語る日本のものづくりが抱える問題点 - ログミー

“爆買い”の鍵を握るのは口コミ--インバウンド攻略のために知っておくべき考え方 - ログミー

原宿を拠点に活動していた米原氏は今中国で大活躍されているそうで、

インバウンドに関する情報も盛り沢山。

私が面白いと感じたのはこの部分です。

米原 「原宿」という言葉は、海外からすると「裏原」と直結していて、やはりNIGO君の存在が原宿だと思われています。僕は97年に、『egg』をやめた後、『アウフォト』という素人の投稿写真の雑誌を作りました。
そのなかにエリック・コットという、ウォン・カーウァイの映画によく出てくる俳優というかコメディアンというか、タレントさんがいて。彼が初めて「A BATHING APE」を香港に入れた人なんですが、彼がその雑誌のなかに「自分のページを持ちたい」と3号目から言っていました。
ずっとそこに香港勢がいた。だから、今の僕の香港の友達はそのときからです。
要するに、その時に東京で、まったくモード系ではない、ゲイじゃない人たちが初めてファッションに入ってきたのがすごく強かったんです。僕も別にゲイが嫌いなんじゃないですが、自分がゲイじゃないので、ゲイっぽい格好をするモードは、自分がやると似合わないなというのがありました。
やはり、裏原を見たときに「これはかなり海外に行くな」と思いました。僕は部外者というか、基本的に裏原の真ん中にはいないので、外からいろんな説明をしてあげるという部分で海外の人を取り込んでいきました。それ以降に、海外の人が好きになっているものは、地元の部分が強かったり、地元原宿という部分を基本にしたもの。

意訳すると裏原って「誰にでも似合う」ということでしょうか。

これはファッションがヒットするには必須条件でしょう。

確かにモード系は似合う人が限られますよね。

ちなみに米原氏自身のことが多く語られているインタビューはこちら。

【インタビュー】東京発ガールズカルチャーの発信者、米原康正があらためて語るこれまでの歩み。田舎のヤンキー文化から『egg』創刊まで (第1回/全4回) | THE FASHION POST [ザ・ファッションポスト]

こちらも面白いですよ。



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