こんにちは。エルメスの商品はひとつも持っていない ファッションアナリスト山田耕史(@yamada0221)です。
(このブログを初めてご覧になるかたへのカンタンなガイドはこちらです。ファッションをカンタンに楽しめる要点をまとめてあります。)
昨日から表参道ヒルズ行われているエルメスの手しごと展に行ってきました。
エルメスの手しごと展 “アトリエがやってきた” | HERMES - エルメス公式サイト
同じような展覧会では3年前に銀座で開かれたディオール展も行ったことがあるのですが、
山田耕史のファッションブログ: 銀座ディオール展が無料なのに見応えたっぷりなのでとてもお薦めです。
開催2日目、金曜日のオープン11:00直後に表参道ヒルズに到着したのですが、平日にもかかわらずオープン前から多くの人が並んでいたようでした。会場はすぐにいっぱい。こういった展覧会はできるだけ人の少ないところから回ることにしている僕は、そのときはまだ人の集まっていなかったシルクスクリーンの機械を写真に収めたあと、隣のネクタイ職人の実演を見に行きました。
写真を見てもらうとわかると思いますが、職人さんとの距離が近いです。ちなみにカメラ撮影は可能ですが(フラッシュNG)、動画撮影は禁止でした。
僕はこのように、職人さんが作業している隣で見られました。
こういった何気ない道具を見られるのが楽しいです。
職人さんが手順を説明しながら作業が進みます。全ての工程を実演するのではなく、一部。ネクタイづくりではハンドステッチのところだけです。もちろん通訳(多分日本のエルメスの販売員さん)はいます。
このエルメスのエプロンがカッコイイ。
これがネクタイの祭壇前の生地。
手縫いが進みます。
これが手縫いに使われる糸。耐久性を考慮して合成繊維の糸だそうです。
使い込まれた指ぬき。
完成です。
この展覧会の嬉しいところは気軽に質問できること。僕もネクタイづくりで気になった点がいくつかあったので質問してみました。エルメスのネクタイは今回実演したところ以外の縫製はミシンだそうです。裏側をハンドステッチにすることでネクタイに立体感が生まれるそうです。
商品も展示されています。
ネクタイを見ているうちにシルクスクリーンのプリントの実演が始まってしまっていました。この人だかりで全然見られず…。
他のを見ることにしました。
比較的見物人が少なかった馬具職人。
道具の写真は撮ってしまいますね。面白いです。
ボッシュのなにかしらの電動工具。
レザーテープに金槌でスタッズを打っていました。
このレザーのエプロンも格好良かったです。
レザーの糸。
スタッズの打ち方が結構荒かったです笑。フランス人っぽいといえばフランス人っぽい。
次にバッグ職人のところに向かいましたが、こちらもひとだかり。
こちらは手袋職人。
格好良いおやじさん。
話の流れでお客さんに渡して見せてくれていた道具。エルメスの職人道具なんてなかなか触る機会ないですよね。
型紙に書かれたメモ。
エルメス印のハサミ!迫力ありました。何回も撮りました笑。
最初は革伸ばしていきます。仕上がりが均一になるようにだそうです。
スニーカーはアディダス笑。
フランス人らしい陽気な職人さんでカメラ目線もくれました。説明も冗談まじりで楽しいです。
格好良い時計。
こんな風に裁断してー、といいながら裁断はしませんでした。
裁断した革を伸ばします。
これが革を手袋のかたちに着る道具。プレス機的なので押し切るそうです。
裁断後の革を乗せて、
更に上になにかしら乗せて
で、プレス後のものは用意されていました。
パリ印の定規。いいすね。
エルメスのレザーブレス。格好良い。
こちらの手袋はハンドステッチ。印などはつけず、全て感覚でやっていくそうです。
こちらはシルクスクリーンの製版職人ブース。誰もおらず。定期的に休憩を取っているようです。
ワコムでした。
キーボードもどんなのか気になる…。
時計職人。
色々な工具も展示されています。
商品も。
こちらは磁気の絵付け。
繊細な手仕事。
色がいいですね。
鞄職人ブースに行ったら休憩中だったので道具を撮影。
作りかけっぽい鞄。
こちらは石留め職人。
シルクスクリーンブースに行ったらちょっと人垣が解消されていたのでちょっと撮影。
まだまだ見たかったのですが、お腹の減りが尋常じゃなかったのと、まだ今日やらなきゃの仕事が残っていたので心残りですが退散しました。
こちらがお土産。
ステッカーとブック。
ブックはかなり分厚いです。素敵なビジュアルや
みんな大好き、マルジェラに関するコラムも。
で。
この展覧会、なにがすごいって全部無料なんです。ブックだけでも1,000円以上しても文句は出ないでしょうが、それも無料。
3月19日までと期間は短いですし、週末は満足に見られないほどの人の多さになるでしょうが、行きたい人は絶対に行っておいて下さい。
しかし、これだけの展覧会をやるのはかなりのコストがかかるでしょうが、これもブランディングなんですね。
実際僕もこうやって職人の手仕事を目にして、今は無理ですがそのうち欲しいな、と思いました。
世界トップクラスのブランドイメージを保ち続けているエルメス。その秘密がちょっとわかったような気がしました。
最後までご覧いただきありがとうございました!
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