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ユニクロの服とコムデギャルソンの服に価値の違いはあるのか?






こんにちは。プライムビデオで幼女戦記を観始めたファッションアナリスト山田耕史​(@yamada0221)です。

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第二回座談会の終盤で話題になった、​ 服の値段とワクワク感​について。


「自分に似合う服ってなに?」居酒屋で聞いた、おじさんたちのファッション論〜中編〜 | FACY

ちょっと長いですが、3人のやりとりを引用します。赤文字は僕が当記事向けに入れています。


井本:さすがに立場上、僕が「服なんてユニクロでOKです」と言うわけにはいかないけど、別にユニクロを否定するわけではないですよ。ユニクロはみんな持ってるでしょうし。
うちは「ファッションを売りません、僕は物売りです」って話をしていて。あくまでパーツを提供するから、お客さんの生活にそれをはめてもらって、楽しんでもらって。「あっ、こういう楽しさがあるんだな」っていうのを気づくなり、再発見してもらえればっていうスタンス。その分提供するものはしっかり選ぶし、だから買ってくれたものを気に入って大事にしてもらえればすごく嬉しい。正直、ユニクロの服って大事にしないじゃないですか?
山田:僕はそうでもないですね。ユニクロでも大切に着ます
齋藤:俺、そこは井本さん派ですよ。ユニクロでは間に合わせの服と消耗品しか買わない
井本:ユニクロは整合性はすごい取れていて、合理的であって正解なんです。GUもそう、トレンドの枠の中でこのプライスでこれは凄いみたいなところはある。ただ、コストパフォーマンスで選んだものは愛せないと思うんですよ。
齋藤:完璧に二人の中間として迷うのは、ユニクロのオックスフォードシャツは15年愛用してるんですよ。オックスフォードシャツって完全に消耗品で、一年も着てれば襟元も黄ばんで汚れてくるから買い替えが必須で。その度にまとめ買いしてるんだけど、そういうときにブルックスなんて値段が10倍も違うわけで、富豪にでもならない限り無理。今の収入の2倍3倍でも、まだまだユニクロを選ぶと思う。
山田:収入が倍になったとしても、ユニクロのシャツは全然着ると思うし、僕的にユニクロもギャルソンも扱いに差があるわけじゃない
井本:本当に? もっと言えば、ギャルソンを初めて買ったときの高揚感を、初めてギャルソン買って、着たときのワクワク感を、ユニクロにも感じます?
山田:それを言われると困りますね(笑)。でも、ギャルソンとユニクロって、明らかに値段が違うから、値段っていうプラシーボがあるんじゃないかなって思うんですよ。このギャルソンのシャツは結構値段したんですけど、それだけ出してるんだから高揚せなあかんやろっていうプラシーボがあると思う。
井本:とは言っても、今まさに10年前に買ったギャルソンを着てるわけでしょ。
Y:あのね、やっぱシルエットとかは素晴らしいんですよ。ユニクロとは違うんですよ(笑)。なんやろな、井本さんの言いたいことも分かるんですよ。

という感じで、このお話は座談会の終盤でがっつり酔っ払っていたせいもあり(言い訳です)、座談会収録時に僕は明確な答えを出せませんでした。ですが、最近たまたまこんなツイートを目にして、自分のなかできちんと言語化できていなかったことを思い出したので、今回はそれについて書いてみます。







お題は値段やブランドによって服の価値は変わるのか?​です。

・デザインと機能​



服には大きく分けて2つの要素があると思います。

それはデザインと機能

僕にとってコムデギャルソンの服は、デザインの価値が強い服なので、暑さ寒さから身を守るというような服としての最低限の機能が無くても目をつぶっていられます。何故なら機能の無さを補って余りあるほどのデザインがあるからです。

例えばこのコムデギャルソンオムプリュスのコート。



成人式用に買って以来、17年も着ています。あまりに長年着ているので、襟裏のタグの文字も消えてしまいました。



ウール素材ですが、裏地なしの一重のギャバジン生地なので、防寒性はほとんどありません。はっきり言って機能性は低いです。不便です。

ですが、このコートのデザインが大好きなので、インナーダウンを着たりしてなんとか着ようと努力しています。



デザインの要素が強いコムデギャルソンの服に対し、機能の価値が強いのがスポーツウェアやアウトドアウェアでしょう。僕的にはワークマンの服なんかもそうですね。


山田耕史のファッションブログ: ワークマンの使えるアイテム厳選レビューvol.1「超暖で機能的、なのに上品なシャツジャケットが驚きの安さ」

もちろん、スポーツウェアやアウトドアウェアでもデザインの要素を満たしている服はたくさんあります。

デザインと機能のバランスが取れていることが僕が服を選ぶときに最も重視する基準です。

・値段も機能である​



服自体の要素はデザインと機能の2つに集約されますが、ややこしいことに「服を買う」となると、もう1つの要素が登場します

それは値段です。

座談会で話題になったギャルソンとユニクロの話も、やはり値段がキーになると思います。

僕は、値段も機能の1要素である、と思っています。

低価格の服は気軽に着られます。また、座談会で齋藤さんも指摘されているように、ユニクロに代表される低価格の服は代替が容易です。オックスフォードシャツやチノパンツなんかは年中気軽に手に入れられますし、微調整はあるものの、デザインや機能の大きなモデルチェンジは基本的にはありません。

子育てが生活の中心である現在の僕にとって、服を汚されたり破られたりする危険とは常に背中合わせ、とは言い過ぎですが、外出先で子供を抱くと、どうしても子供の靴底は当たってしまうので服は汚れますし、綺麗に磨き上げた革靴を踏まれることは日常茶飯事です。

なので、僕にとって簡単に代替品が手に入れられることは僕にとってはとても大事な要素です。

つまり、僕にとっては​ ​低価格で気軽に着られることも機能の1つなんです。

・ギャルソンとユニクロは等価値​



ユニクロGUレポートでも使っている星でわかりやすくしてみましょう。

こちらのギャルソンのシャツは星で表現するとこんな感じ。合計の星は4つです。



デザイン ★★★
機能   ★☆☆

ユニクロのオックスフォードシャツはこうなります。こちらも合計の星は4つです。



デザイン ★★☆
機能   ★★☆

ということで、僕にとってギャルソンのシャツとユニクロのシャツは同じ星4つで、価値は同じなのです。

高価な商品を手に入れるときの高揚感ももちろんありますが、低価格でもデザインや機能に充分納得して購入する場合は同じように気分は高まります


実際に着るときも同様にギャルソンとユニクロは等価値です。ギャルソンを着るときはデザイン的な良さで気分が高まりますし、ユニクロを着るときは機能的な良さで気分が高まります

・機能性重視​


僕のこのような考え方は一般的ではないかもしれません。僕は服選びにおいて普通の人よりもかなり強く機能を重視しているという自覚はあります。

現時点で工業製品としての服の伸びしろは、デザインも機能もさほど残っていないのかもしれません。登場時には斬新だったiPhoneも、今は新モデルの新機能に驚かされることほとんどなくなったように。

ですが、未だにデザインと機能を高次元で両立させた服はごく少数だと思っています。

僕にとって、服は日常を心地良く過ごす為の道具です。

日常を心地良く過ごす為にはデザインも機能もおろそかにできません

この2つの要素を満たした商品だけ、僕は今まで当ブログでご紹介してきましたし、これからもこのテーマだけは変わらずに持ち続ける
つもりです。

最後までご覧いただきありがとうございました!

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