今までメンズエッグ関連記事をいくつか書いてきました。
今回はその最終章になるでしょうか。
メンズエッグの最終号、
メンズエッグ 2013年11月号に掲載されていた
「ギャル男ファッション14年史」
という特集。
メンズエッグが創刊された1999年からの
ギャル男ファッションの変遷が紹介されており
ギャル男ファッションの流れが一目瞭然です。
是非とも多くの人に読んで頂きたい良い出来なのですが、
残念ながらAmazon他ネット書店では売り切れの模様。
古本では2000円オーバになってしまっています。
資料的価値が高く、
このまま埋もれてしまうのは勿体無いので
そのアーカイブ化という観点からも
当ブログに大まかな流れを抜粋してみます。
(本当は画像も沢山載せられたらいいんですけどねー)
誌面は年表風になっており、
1年毎に数ページの誌面のビジュアルと
解説が掲載されています。
--------------------
1999年
・カラパンはギャル男のユニフォーム
ギャル男=カラーパンツとは今からは想像出来ないですねぇ。
2000年
・11号から待望のスタイリスト投入!
創刊当時は編集者がスタイリングを行っていたとの事。
B-BOYのようなビッグシルエットの
ジャージセットアップやサッカーのゲームシャツなど、
今のメンズエッグからは考えられない
スポーツアイテムが特集されています。
2001年
・オールドサーフからアダルトまで幅広くファッションスタイルを網羅
オーシャンパシフィックのロゴTが掲載されています。
今のギャル男は着ないでしょうねぇw
2002年
・メンナイの始まりとピロムらの影響でクラブファッションが台頭
サイケを取り入れていた時期もあったんですねぇ。
2003年
・アメカジ、アダルト、サーフ、B-BOY…あらゆるスタイルを提案
「今思うとメンエグでB系ってワロス」と書いているように、
まだ方向性が絞りきれていない感じですね。
2004年
・センターGUY誕生!渋谷の雰囲気が一気に変わる
そう言えばありましたねーw
・アダルト→お兄系として発信全国規模のムーブメントに!
ここでメンズエッグ的お兄系の定義が述べられています。
「長らく一定の支持を集めていたアダルト系ファッションが
『お兄系』として確立されそのスタイルは全国を席巻。」
ギャル男とお兄系は混同されやすいですが、
ここではメンズエッグの読者層=ギャル男で、
ギャル男が着るファッションスタイルの一つ=お兄系、
という事のようです。
・アメカジ、古着、サーフも引き続き人気継続中
古着も今のギャル男は着ないでしょうねぇ。
2005年
・デリッカーが大ブレイク!!
デリッカーとは「男くささを押し出し」て
「ゴツいアクセをジャラジャラ着けしてハードなデザインのウェアをまとったルックス」
だそうです。
今も人気のJACKROSEのようなイメージでしょうね。
「ギャル男スタイルの1サンプルとして確立」されたそうです。
でもこのデリッカーというネーミングってあまり広がらなかったんですね。
2006年
・アメカジやアウトローがジワジワと…
「武装戦線」というキャッチコピーからも
後の悪羅悪羅系に繋がる雰囲気を感じます。
・レディースアイテムで着飾るタイト男子が急増
男っぽいデリッカーが流行した反動でしょうか。
最近こういったタイト系はトレンドになっていないので
また近々復権するのでしょうね。
・デリッカー終焉
終焉早いw
「しかし、大阪ではこの後も人気が継続された」そうです。
2007年
・デリッカーの延長でサイケ感強めな「裏渋系」スタイルが登場!
「アジアンテイストをふんだんに使用した」スタイルだったそうです。
goaみたいな雰囲気なのでしょうか。
民族系もそのうち復活するでしょうね。
・ロック&バイカーの男臭いスタイルが人気を集める
デリッカーの流れや2006年のアウトロー系の影響で浮上したのでしょうか。
こういったトレンドの流れを予想するのは楽しいですね。
・お兄系も継続
ここから2009年まで「お兄系が継続人気」と取り上げられています。
2004年には「今年もお兄系一本主義」というタイトルで特集が組まれ、
この年にお兄系は全国規模になったと書いてあるので
渋谷で誕生したのはその前年、前前年あたりでしょうか。
今もまだ生き続けるお兄系は誕生して約10年くらいなのですね。
関連:山田耕史のファッションブログ: お兄系は不滅?戦後ヤンキーファッション史に見るお兄系の位置。
2008年
・アメカジスピリットは忘れてません
デリッカー→ロック&バイカー→アメカジという流れでしょうか。
アメカジはこの後2011年まで継続です。
継続です。
2009年
・アメカジ、ロック、お兄系の3本立て
「ファッションはいくつか選択肢があるものの、髪型は変わらず茶髪のミディアム」
だそうです。
この辺りで「お兄系」のイメージが完全に確立されたような気がします。
・お兄系は安定した支持を継続
「若干タイトめになって、スマートな印象に」変化したそうです。
・アメカジ熱も再び
再び、とありますが継続ですね。
・読モブランドが大フィーバー!モデルの8割がデザイナー(笑)
「さて、いま生き残っているのは?」とセルフツッコミ。
2010年
・ブラックスタイルは冬の定番
お兄系のブラックではなくバイカー、ロックのブラックのようです。
・見切り発車で打ち出した「アバカジ」浸透せず
「新たな試みとしてアーバン(都会)×カジュアル「アバカジ」を発信。
が、完全に見切り発車で浸透せず、身内からもバッシング(笑)」
だそうです。
最終号ならではのぶっちゃけ具合ですね。
・ACID ROCKが誕生!
当時浮上していたサロン系とお兄系が融合した
ACID ROCK系。
「特集するや否や反響が」という事です。
こちらは「アバカジ」の様に見切り発車ではなく
ストリートでの人気をベースに発信したという事でしょうか。
2011年
・ACID ROCK旋風が渋谷を席巻
前年登場したACID ROCKが大人気に。
「読者のみならずアパレルも巻き込んだ一大ブーム」になったそうです。
…そこまででしたっけ?w
・アメカジ、NEOお兄系、ACID ROCKの3本柱
「イチオシにするスタイルを迷っていた時期でもある(笑)」だそうです。
・お兄系が「NEOお兄系」として復活!
「いつの間にか姿を消していたお兄系がより洗練され、そしてセレブ感を加え
「NEOお兄系」として復活。」
今のBITTERに繋がるスタイルですね。
この頃からシャツスタイルのキレイ目スタイルが増えていった気がします。
「かつての武骨スタイルを復活するべく、思いっきりワイルドさを出した
バイカースタイルを提案。これで計4スタイルになり、読者を惑わす結果に」
やはりテイストが多過ぎると問題ですね。
関連:山田耕史のファッションブログ: メンズエッグの次はソウルジャパン?ファッション雑誌のテイストのブレについて考える。
2012年
・モテをとことん意識したファッション構成に移行
「ACID ROCKが半ば強引に終了させられ、
ファッションの流れは完全に「モテ」路線に」
これは編集方針の転換でしょうか。
「この頃はハッキリとした流行はナシ」という事なので
ここからメンズエッグが苦しくなって来たのではないかと想像します。
2013年
・BIGBANGの影響でストリートスタイルが人気
読モのスタイルから「一気に広まっていったが、
なぜか本誌では強制終了」との事。
これも編集方針ですかねぇ。
・かつて一世を風靡したお兄系の復活を願って…
「一昔前に全国規模でブームになった`キレイめスタイル`の復活を」
狙ったようですが「読者には響かず(汗)」だったとの事。
--------------------
編集部が仕掛けようとして失敗したスタイルも多かったのですねぇ。
ストリート発祥のスタイルと編集部が仕掛けたスタイル、
それぞれの成長具合なんかもわかったら楽しかったのですけれど。
こうやって通して見てみるとメンズエッグは
アメカジ、サーフ、キレイ目、B-BOYなど
様々なスタイルに挑戦しているのがわかります。
これはメンズエッグが「お兄系」などという
ファッションスタイルを軸としているのではなく、
「ギャル男」というヒトを軸にしているからなのでしょう。
広義のお兄系として同カテゴリとして括られる事が多い
メンズナックルや
ソウルジャパンは
ファッションスタイルを軸としており
発信するファッションはあまり変化がありません。
しかし、「ヒト」を軸としていたメンズエッグは
時代のトレンドに合わせて発信するファッションが変化し続けます。
山田耕史のファッションブログ: メンズエッグの次はソウルジャパン?ファッション雑誌のテイストのブレについて考える。
↑でも考察しましたが、ファッション雑誌が長く持続するポイントとして
ある程度安定した数の支持者がいるファッションスタイルを軸とする
という事が挙げられるのではないでしょうか。
しかし、こうやって年表風にファッション史を振り返っていると
もっと系統建ててまとめ直したいと思ってしまいますね。
元々ファッション、特にメンズファッションの分析は少ないのですが、
その中でもお兄系だけのファッションの流れとなると
もしかしたらこの特集が最初で最後になるのかもしれません。
そう考えるとメンズエッグには
最終号でよくぞこの特集を企画してくれた、
と感謝したい気持ちになりますね。
※注
ここで述べられている内容は書き手の所属する組織・団体の主張を
代表・代弁するものではなくあくまでも筆者一「個人」としてのものです。
メンズエッグの最終号、
メンズエッグ 2013年11月号に掲載されていた
「ギャル男ファッション14年史」
という特集。
メンズエッグが創刊された1999年からの
ギャル男ファッションの変遷が紹介されており
ギャル男ファッションの流れが一目瞭然です。
是非とも多くの人に読んで頂きたい良い出来なのですが、
残念ながらAmazon他ネット書店では売り切れの模様。
古本では2000円オーバになってしまっています。
資料的価値が高く、
このまま埋もれてしまうのは勿体無いので
そのアーカイブ化という観点からも
当ブログに大まかな流れを抜粋してみます。
(本当は画像も沢山載せられたらいいんですけどねー)
誌面は年表風になっており、
1年毎に数ページの誌面のビジュアルと
解説が掲載されています。
--------------------
1999年
・カラパンはギャル男のユニフォーム
ギャル男=カラーパンツとは今からは想像出来ないですねぇ。
2000年
・11号から待望のスタイリスト投入!
創刊当時は編集者がスタイリングを行っていたとの事。
B-BOYのようなビッグシルエットの
ジャージセットアップやサッカーのゲームシャツなど、
今のメンズエッグからは考えられない
スポーツアイテムが特集されています。
2001年
・オールドサーフからアダルトまで幅広くファッションスタイルを網羅
オーシャンパシフィックのロゴTが掲載されています。
今のギャル男は着ないでしょうねぇw
2002年
・メンナイの始まりとピロムらの影響でクラブファッションが台頭
サイケを取り入れていた時期もあったんですねぇ。
2003年
・アメカジ、アダルト、サーフ、B-BOY…あらゆるスタイルを提案
「今思うとメンエグでB系ってワロス」と書いているように、
まだ方向性が絞りきれていない感じですね。
2004年
・センターGUY誕生!渋谷の雰囲気が一気に変わる
そう言えばありましたねーw
・アダルト→お兄系として発信全国規模のムーブメントに!
ここでメンズエッグ的お兄系の定義が述べられています。
「長らく一定の支持を集めていたアダルト系ファッションが
『お兄系』として確立されそのスタイルは全国を席巻。」
ギャル男とお兄系は混同されやすいですが、
ここではメンズエッグの読者層=ギャル男で、
ギャル男が着るファッションスタイルの一つ=お兄系、
という事のようです。
・アメカジ、古着、サーフも引き続き人気継続中
古着も今のギャル男は着ないでしょうねぇ。
2005年
・デリッカーが大ブレイク!!
デリッカーとは「男くささを押し出し」て
「ゴツいアクセをジャラジャラ着けしてハードなデザインのウェアをまとったルックス」
だそうです。
今も人気のJACKROSEのようなイメージでしょうね。
「ギャル男スタイルの1サンプルとして確立」されたそうです。
でもこのデリッカーというネーミングってあまり広がらなかったんですね。
2006年
・アメカジやアウトローがジワジワと…
「武装戦線」というキャッチコピーからも
後の悪羅悪羅系に繋がる雰囲気を感じます。
・レディースアイテムで着飾るタイト男子が急増
男っぽいデリッカーが流行した反動でしょうか。
最近こういったタイト系はトレンドになっていないので
また近々復権するのでしょうね。
・デリッカー終焉
終焉早いw
「しかし、大阪ではこの後も人気が継続された」そうです。
2007年
・デリッカーの延長でサイケ感強めな「裏渋系」スタイルが登場!
「アジアンテイストをふんだんに使用した」スタイルだったそうです。
goaみたいな雰囲気なのでしょうか。
民族系もそのうち復活するでしょうね。
・ロック&バイカーの男臭いスタイルが人気を集める
デリッカーの流れや2006年のアウトロー系の影響で浮上したのでしょうか。
こういったトレンドの流れを予想するのは楽しいですね。
・お兄系も継続
ここから2009年まで「お兄系が継続人気」と取り上げられています。
2004年には「今年もお兄系一本主義」というタイトルで特集が組まれ、
この年にお兄系は全国規模になったと書いてあるので
渋谷で誕生したのはその前年、前前年あたりでしょうか。
今もまだ生き続けるお兄系は誕生して約10年くらいなのですね。
関連:山田耕史のファッションブログ: お兄系は不滅?戦後ヤンキーファッション史に見るお兄系の位置。
2008年
・アメカジスピリットは忘れてません
デリッカー→ロック&バイカー→アメカジという流れでしょうか。
アメカジはこの後2011年まで継続です。
・お兄系も変わらず人気
継続です。
2009年
・アメカジ、ロック、お兄系の3本立て
「ファッションはいくつか選択肢があるものの、髪型は変わらず茶髪のミディアム」
だそうです。
この辺りで「お兄系」のイメージが完全に確立されたような気がします。
・お兄系は安定した支持を継続
「若干タイトめになって、スマートな印象に」変化したそうです。
・アメカジ熱も再び
再び、とありますが継続ですね。
・読モブランドが大フィーバー!モデルの8割がデザイナー(笑)
「さて、いま生き残っているのは?」とセルフツッコミ。
2010年
・ブラックスタイルは冬の定番
お兄系のブラックではなくバイカー、ロックのブラックのようです。
・見切り発車で打ち出した「アバカジ」浸透せず
「新たな試みとしてアーバン(都会)×カジュアル「アバカジ」を発信。
が、完全に見切り発車で浸透せず、身内からもバッシング(笑)」
だそうです。
最終号ならではのぶっちゃけ具合ですね。
・ACID ROCKが誕生!
当時浮上していたサロン系とお兄系が融合した
ACID ROCK系。
「特集するや否や反響が」という事です。
こちらは「アバカジ」の様に見切り発車ではなく
ストリートでの人気をベースに発信したという事でしょうか。
2011年
・ACID ROCK旋風が渋谷を席巻
前年登場したACID ROCKが大人気に。
「読者のみならずアパレルも巻き込んだ一大ブーム」になったそうです。
…そこまででしたっけ?w
・アメカジ、NEOお兄系、ACID ROCKの3本柱
「イチオシにするスタイルを迷っていた時期でもある(笑)」だそうです。
・お兄系が「NEOお兄系」として復活!
「いつの間にか姿を消していたお兄系がより洗練され、そしてセレブ感を加え
「NEOお兄系」として復活。」
今のBITTERに繋がるスタイルですね。
この頃からシャツスタイルのキレイ目スタイルが増えていった気がします。
・バイカーも発信するも…
「かつての武骨スタイルを復活するべく、思いっきりワイルドさを出した
バイカースタイルを提案。これで計4スタイルになり、読者を惑わす結果に」
やはりテイストが多過ぎると問題ですね。
関連:山田耕史のファッションブログ: メンズエッグの次はソウルジャパン?ファッション雑誌のテイストのブレについて考える。
2012年
・モテをとことん意識したファッション構成に移行
「ACID ROCKが半ば強引に終了させられ、
ファッションの流れは完全に「モテ」路線に」
これは編集方針の転換でしょうか。
「この頃はハッキリとした流行はナシ」という事なので
ここからメンズエッグが苦しくなって来たのではないかと想像します。
2013年
・BIGBANGの影響でストリートスタイルが人気
読モのスタイルから「一気に広まっていったが、
なぜか本誌では強制終了」との事。
これも編集方針ですかねぇ。
・かつて一世を風靡したお兄系の復活を願って…
「一昔前に全国規模でブームになった`キレイめスタイル`の復活を」
狙ったようですが「読者には響かず(汗)」だったとの事。
--------------------
編集部が仕掛けようとして失敗したスタイルも多かったのですねぇ。
ストリート発祥のスタイルと編集部が仕掛けたスタイル、
それぞれの成長具合なんかもわかったら楽しかったのですけれど。
こうやって通して見てみるとメンズエッグは
アメカジ、サーフ、キレイ目、B-BOYなど
様々なスタイルに挑戦しているのがわかります。
これはメンズエッグが「お兄系」などという
ファッションスタイルを軸としているのではなく、
「ギャル男」というヒトを軸にしているからなのでしょう。
広義のお兄系として同カテゴリとして括られる事が多い
メンズナックルや
ソウルジャパンは
ファッションスタイルを軸としており
発信するファッションはあまり変化がありません。
しかし、「ヒト」を軸としていたメンズエッグは
時代のトレンドに合わせて発信するファッションが変化し続けます。
山田耕史のファッションブログ: メンズエッグの次はソウルジャパン?ファッション雑誌のテイストのブレについて考える。
↑でも考察しましたが、ファッション雑誌が長く持続するポイントとして
ある程度安定した数の支持者がいるファッションスタイルを軸とする
という事が挙げられるのではないでしょうか。
しかし、こうやって年表風にファッション史を振り返っていると
もっと系統建ててまとめ直したいと思ってしまいますね。
元々ファッション、特にメンズファッションの分析は少ないのですが、
その中でもお兄系だけのファッションの流れとなると
もしかしたらこの特集が最初で最後になるのかもしれません。
そう考えるとメンズエッグには
最終号でよくぞこの特集を企画してくれた、
と感謝したい気持ちになりますね。
※注
ここで述べられている内容は書き手の所属する組織・団体の主張を
代表・代弁するものではなくあくまでも筆者一「個人」としてのものです。