年明けのこの時期のファッション雑誌(1月発売の2月号や3月号)は
毎年冬のファッションと春のファッションとの
谷間の号になっており、
多くのファッション雑誌はいつものような
トレンド服特集はしていません。
例えば靴やバッグ、アクセサリーなどの小物特集や
アート特集、
現在発売中のBegin2014年3月号 のような
インテリア特集など、
ファッション周辺の特集です。
その中で最も多くの雑誌が行っている特集が
ストリートスナップ特集です。
今回はメンズ雑誌の中でも特に興味深かった
2冊の雑誌のストリートスナップ特集をご紹介します。
まず、私が一番面白かったのがこちら。
カジカジ2014年2月号です。
メインは大阪、神戸、京都などの
地域別に編集したストリートスナップですが、
今回目を引いたのは
「TIME TRIP」と題された
ストリートスナップ内のページ。
こちらは同一人物の現在と過去のストリートスナップの画像を
並べて掲載し、比較しています。
過去の画像は2006年から2008年くらい、
つまり6~8年前に撮られているものが多く、
中には「これが同じ人のファッションなの?」と
驚かされるような人もいます。
多くの人に共通しているのは
全体の色合いがカラフルからシックに、
シルエットがルーズからタイトに、
ファッションテイストがカジュアルからキレイ目になっているという事。
これがファッション的に「オトナになる」という事なのでしょうか。
また、それぞれの被写体に今と昔のファッション観やお気に入りのアイテム、
ハマっている趣味の変化などをインタビューしており
その人のファッションにおける変わったもの、変わらないものが
うかがい知れるのが楽しいです。
以前からストリートスナップに力を入れており、
また関西という地域をテーマにしたカジカジならではの
好企画だと思います。
売上げも好調なPOPEYE 2014年2月号。
こちらはスナップ対象の切り口がかなり凝っています。
全世界から幅広く集められたスナップは
デザイナーやショップ店員などの
いわゆる「オシャレな人」だけでなく
例えば世界各国の配達員や清掃員のユニフォームだったり
俳優志望のパリジャンだったり
冬のロッカウェイビーチのサーファーだったりと
他にも「パリ10区に集まるフレンチアフリカン」や
「ニューヨークのバリスタ」など、かなり豊かなバラエティで、
編集者の熱意に拍手を送りたくなるような濃い内容です。
同じストリートスナップ特集でも
既視感たっぷりの
「今○○が人気!」
「街ではみんな○○を着ている!」というような
被写体を単なる「リアルなマネキン」として捉えた内容ではなく、
その人の過去や職業、ライフスタイルなどに
スポットを当てる企画が登場してきた事は
スポットを当てる企画が登場してきた事は
日本のファッションが新たなステージに
向かいつつあるような気がしてきます。
そんな時代を感じさせてくれた
カジカジとPOPEYEに拍手を送りたいと思います。
※注
ここで述べられている内容は書き手の所属する組織・団体の主張を
代表・代弁するものではなくあくまでも筆者一「個人」としてのものです。